話はなかなか始まらなくてもいい!?『哀愁の町に霧が降るのだ』

シーナマコト
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どうも、ほけきよです!

 

今日は、椎名誠著『哀愁の町に霧が降るのだ』

についての話です。

 

 

 

 

・話が始まらない!?

この本を最初に読んだ時、

全然話が始まらない事に衝撃を受けました。

 

というのも、

この本の主題?は椎名誠の

青春時代の話なんです。

 

なんですが、

本の章立てとしては、

第1章『話はなかなか始まらない』

第2章『話はまだ始まらない』

第3章『緊急対策中途解説の項』

とあって、

実に上巻の全15章のうち最初の3章は

違う話であり、

話が始まっていないのです。

 

その話は椎名誠の現在(当時)の話なので、

全く関係ないわけではなく、

その話は話で面白いんですが、

書き始めから違う話を書いていく

っていうのはなかなかすごいと思いました。

 

 

・ナニから始まるのか!?

第1章は、

書き下ろしのこの本を書くに当たって、

ホテルでカンヅメをした話。

 

第2章は、

現在(当時)のサラリーマンの話。

 

第3章は、

第1章、第2章で話が進まなかったから、

これからどうするかの話。

 

特に、僕が3章で笑ったのは、

椎名誠自身もどういう風に話を

進めればいいか考えておらず、

いきおいで進んでやれ!

というような感じであった以下の一節です。

 

第二章のようなかんじで書いていくと、このなんだかエタイの知れないプロローグ様のものはまだまだ続いていきそうである。

第三章 話はいぜんとして始まらない

第四章 話は相変わらず始まらない

第五章 当分始まる気配はない

第六章 始まる見通しが立たない

第七章 もう始まらないのかもしれない

というようなものになっていってしまう危険性もある。

(椎名誠著 哀愁の町に霧が降るのだ 上)

 

 

・始まらなくても別にいいじゃないか

僕はこの、書けないことを書く

ということに対して衝撃を受けました。

 

書けないこと書いてもいいんだ!

考えてないこと書いてもいいんだ!

と、

椎名誠の、

このようなカッコをつけてない感じ

すごく惹かれたんですね。

 

最初の三章は、中身はまあ無いんですが

面白いんですね。

 

それは椎名誠自身が、

書けないことを隠さず、

それ自身も楽しんでいるような

そういう雰囲気からだと思います。

 

書けないことに対して、

全然焦ってないんですね。

 

まあ書けなかったら、

それはそれでいいかな

という風に思っているような感じでした。

 

だからこそ、

ああいった面白い文章が

書けるのかもしれないですね。

 

椎名誠の学びたい部分です。

 

それでは!

 

 

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