散文    石垣に石の大きさ春浅し
        石垣の前に立つと、冬の冷たさがまだ石の奥に残っているのがわかる。掌をそっとあてれば、硬さよりも、そこに閉じ込められた時間の重みが伝わってくる。無数の石が積み重ねられ、ひとつとして同じ形のものはない。それぞれが選ばれ、嵌め込まれ、互いの隙間に...      
                        
    
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