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エッセイ

ダイニングテーブルがあり、高さが生まれた

床で就寝。この一文だけで、その頃の部屋の匂いとか、明かりの感じとかが、わりと鮮明に蘇ってくる。あの頃、私は床で寝ていた。私の人生にはなぜか「床で寝る時期」と「ソファで寝る時期」があって、2023年頃は間違いなく床の時代だった。さすがに直に床...
エッセイ

回らない寿司

昼の12時、回転寿司。レーンの上を流れているのは、マグロでもサーモンでもなく、「本日のおすすめ」とか「今だけ100円」みたいな文字が印刷されたプレートだった。プラスチックの板が、寿司の代わりに淡々と周回している。照明に反射して、やけに清潔で...
よく知らないこと

歴史はなぜ学ぶ必要があるのか

「歴史を学ぶって何の意味があるんだろう?」学生時代、年号や人名をひたすら暗記する歴史の授業に、そんな疑問を抱いたことはないでしょうか。大人になった今、改めて「歴史はなぜ学ぶ必要があるのか」と問われても、すぐには答えづらいかもしれません。実は...
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エッセイ

生協

まだ子供が小さい頃、生協の宅配を利用していた。生協の宅配が来る。インターホンが鳴って、ドアを開けると、発泡スチロールの箱がきちんと角をそろえて置かれている。保冷剤がまだひんやりしていて、午前中の空気を閉じ込めたままの感じがする。箱の側面には...
エッセイ

旅行代理店の旅

妻と合流して、駅前の旅行代理店に入る。ガラス張りの店内は、午後の光が少し白く反射して、パンフレットの海だけがやけに色鮮やかだった。ハワイの青は日本の紙の上でも十分に主張が強く、見ているだけで日焼けした気分になる。相談内容はハワイ旅行について...
DX失敗

「前からこれでやってるから」で止まったDX ― あるある失敗談

製造現場では「紙と鉛筆こそ正義」「ウチはこの方法で数十年やってきた」と堂々と言うおじさんがいます。そんな老舗企業が「さあ、DXだ!」と意気込み導入した新システム。ところが導入後も誰も活用せず結局旧態依然…。実は日本企業の約7割がDXで期待し...
よく知らないこと

幸福とは何か

「幸福」という言葉はよく使うけれど、実は漠然として捉えにくいものです。広辞苑には「心が満ち足りていること」とあります。確かに「満ち足りた状態」というのはわかりやすい言葉ですが、人によって感じ方は違います。日本語の漢字で見ると「幸(自力で得る...
エッセイ

いたずらサッカー

その日は、娘が「いたずらサッカーしよう」と誘ってきた。いたずらサッカーが何なのかは、正直よく覚えていない。たぶんボールを蹴るというより、蹴るフリをして笑うとか、ゴール前で急にルールが変わるとか、そういう類のやつだ。リビングには夕方の光が溜ま...
エッセイ

妻の祖母の日記

妻が祖母の日記帳を見つけたのは、実家の押し入れを片付けている最中だったらしい。段ボールの角が少し潰れていて、畳の上に置くと、ふわっと古い紙の匂いが立ち上る。赤ちゃんが生まれる少し前で、産休育休の合間に、誰も住まなくなった家を少しずつ整理して...
エッセイ

知育菓子

知育菓子を作った日のことを思い出す。娘の前に広げた小さなトレーの上には、色とりどりの粉袋と、妙に未来的なプラスチックの型。説明書は細かい字と図でびっしりで、対象年齢の数字を二度見したくなる。「これ、ほんとに子ども向けか?」と、心の中でつぶや...
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