「一体私がいない間に何をしようというの!?」
と、言うが早いか、妻はテーブルの上に散乱している書類を拾い集めだした。
俺も手伝おうとしたが、妻に制止された。
書類はあっという間に綺麗な状態で並べられた。
俺は唖然としていた。
妻の家事能力の高さにはいつも驚かされるのだが、まさかこんな事まで出来るとは思ってなかったからだ。
そんな俺を見て、妻は少し得意げだった。
そういえばこの前、妻が料理をしていた時に、キッチンから流れてくる匂いで空腹感を覚えた事を思い出した。
「凄いじゃないか! こんな事も出来たんだね!」
「ふふんっ、見直したかしら?」
妻は腕を組んで胸を張る。
そして勝ち誇った表情を浮かべた。
「そろそろお昼にしようか。」
そう言うと妻はキッチンへ向かった。
テーブルには綺麗に積み上げられた書類が残されていた。
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