僕は椎名誠が好きなんです。
でも、周りの人はその面白さを理解してくれないんです。
妻も理解してくれないんです。
うーん、非常にさびしい!
こんなに面白いのになぜ読んでくれないんだ…
そんな気持ちになったので、
それを払拭すべく
椎名誠の面白さを伝えていきたいと思います。
願わくば、椎名誠ファンが一人でも増えれば!
Contents
作家・椎名誠とは
椎名 誠(しいな まこと、1944年6月14日 – )は日本の作家、エッセイスト、写真家、映画監督。
椎名誠:wikipedia
椎名誠は1944年生まれの2017年現在で73歳
今も作家活動は続けられております。
うーん、元気ですね!
作家以外にも雑誌編集長、カメラマン、映画監督、旅人など、
様々な活動をされています。
彼の本は旅の話や、エッセイが多く、
そのなかで様々な活動をしているのがわかります。
話し口調のような軽妙な文体を使用した作風
椎名誠の作風でよく言われるのは、
軽妙な話し口調のような文体、
いわゆる
『昭和軽薄体』という文体です。
この文体は簡単に言うと、
話し言葉みたいな書き方で書かれていると言うことなんですが、
これによって、まるで本を読んでいても、
椎名誠が話しているのを聞くようで、
本の中の一員に自分がなっているような感覚になります。
文体とは裏腹の写実的な表現
その時にもう1つすごいと思うのは、
軽妙な文体とは反対にすごく写実的でリアルな表現なんです。
その時に必要のないと思える部分まで
細かく描写していて、
それによって更に椎名誠ワールドに
引き込まれることになります。
描写がめちゃくちゃ細かい!
日常をすごく良く描いていて、
音や匂い、温度などを感じられます。
ジャンルはエッセイが主だけどSFが面白い
書く内容としては、
エッセイストが多く、たまにSFを書きます。
エッセイの内容としては、
椎名誠自身の昔話、
旅行記、ご飯関係、本関係
が多いです。
これらの内容を椎名誠の軽妙な文章で
描かれます。
基本的には誰かと一緒に行動することが多く、
椎名誠自身とその周辺の仲間の
掛け合い、酒盛り、乱闘騒ぎに面白さがあります。
あと、エッセイの方に隠れて
あまり目立たないのですが、
面白いのがSF!
椎名誠の独特な目線で日常が描かれており、
SFなのに日常感がすごくあります。
普通の日常が描かれながらの、
その中にある違和感
もしくは、
異常な世界の中にある日常風景、
それが椎名誠ワールドと言えます。
作家・椎名誠を形成する時代
椎名誠を語る上で外すことが
できない時代が3つあります。
それは、
・高校卒業後、仲間数人で共同生活をしていた克己荘時代
・就職して業界専門誌の編集者となったデパートニューズ社時代
・独立し作家として生計を立てつつ、新雑誌を立ち上げ編集長として活動する本の雑誌時代
です。
ここを外しては椎名誠は語れない!
特に共同生活時代は良い!
貧乏だが慎ましく、精一杯楽しもうとする姿があります。
僕も大学時代、共同生活をしていたので良くわかります。
これらの時代については
それぞれ、
『哀愁の街に霧が降るのだ』
『新橋烏森青春篇』
『銀座のカラス』
に描かれています。
この3作を読むと、
椎名誠の人柄、彼の周辺の仲間たちのことを
より深く知ることができます。
高校からの昔からの仲間とずっと仕事をする
彼の周辺には、
仲間と言える人々がたくさんいます。
そしてそれらの人はそのまま
作品で描かれます。
出会いは、古くは高校時代から
ずっと仕事も一緒にするような仲間です。
その仲間は文章の中では、
少し馬鹿にされているように描かれながらも
どこか愛がある描かれかたで、
椎名誠自身が非常に仲間想いということがわかります。
特に重要な人物は、
沢野ひとし、木村晋介、目黒考二
の3人です。
ウスラバカのイラストレーター沢野ひとし
沢野ひとしはイラストレーターで
椎名誠の挿絵、本の雑誌雑誌のイラストを書いている人です。
椎名誠との付き合いは高校からで、
それからずっと付き合いがあります。
仲間からは『ウスラバカ』と呼ばれているらしく
少し調子が良く、天然なところがあるが、
どこか憎めないところがあります。
とうちゃんであり弁護士 木村晋介
木村晋介は弁護士で、
本の雑誌社の顧問弁護士を務めています。
こちらも高校からの付き合いで、
そこからずっと付き合いがあります。
真面目で一本気な男なのですが、
お酒と歌も好きで、
非常に好男子としては描かれます。
克己荘で共同生活をしていた頃には、
みんなの家計と胃袋を預かる
とうちゃん兼かあちゃんとして活躍していました。
活字中毒者の社長 目黒考二
目黒考二は本の雑誌社の発行人(社長)で、
椎名誠がデパートニューズ社で業界紙の
編集長として働いていた時に部下として入社してきました。
目黒考二はその会社をすぐに辞めるのですが、
目黒考二は椎名誠にお手製の書評『目黒ジャーナル』を送り交流を続けていました。
その『目黒ジャーナル』が『本の雑誌』の原型です。
目黒考二は本が異常なまでに好きで、
その異常さは、
椎名誠の『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵』の
中に描かれています。
この3人はそれぞれが
椎名誠以上におかしくも面白くある人で、
椎名誠の魅力を更に引き上げています。
オススメ作品
僕は椎名誠の作品を全部読んでるわけではないのですが、
自分が読んだ中からオススメをあげさせてもらいます。
基本的にはエッセイ関係は全部オススメなので、
SFを中心に選びました。
さらば国分寺書店のオババ
『さらば国分寺書店のオババ』
’「昭和軽薄体」なる言葉を生み出した革新的な文体で、
その後の作家・エッセイストたちに大きな影響を与えた、
衝撃的なデビュー作’
椎名誠のデビュー作。
他のに比べたら少し弱いと思うが
デビュー作なのでしょうがないだろう。
こんなのを会社に通いながら
書いたと言うのだからすごいなと思う。
哀愁の町に霧が降るのだ
『哀愁の町に霧が降るのだ』
’安アパートで共同生活をする4人の男たち。
椎名誠とその仲間たちの悲しくもバカバカしく、
けれどひたむきな青春の姿を描く長編’
椎名誠の原点。
そのあとずっと続く友情と椎名誠の人間性が垣間見える。
新橋烏森口青春篇
『新橋烏森口青春篇』
’明るくおかしく、でも少し悲しい青春ー
小さな業界新聞社の記者として働くシーナマコトと
同僚たちの〈愛と勇気と闘魂〉の物語。’
原点その2。会社員は辛くも楽しい。
克己荘で共同生活していた頃に比べて
椎名誠が少し大人になった様子がうかがえる。
銀座のカラス
『銀座のカラス』
’23歳の新米編集者が突然編集長に。
ええい、こうなったら酒でもケンカでも
女でも仕事でも何でもこい!なのだ。自伝的青春小説’
原点その3 。椎名誠青春三部作のラスト
これ以降も自伝的小説は出てるので是非オススメ。
雨がやんだら
『雨がやんだら』
’南の島に流れ着いた箱の中にあった一冊のノート。
そのノートの中に書かれていた恐ろしい事実とは?
スーパー・フィクション9編’
SFの短編集。
読んだ時メチャクチャ引き込まれた。
この中で『いそしぎ』と『雨がやんだら』
はメチャクチャ面白かった。
静かな日常系なんだけど、
少し違和感があって、
それがすごくホラーな感じです。
ジョン万作の逃亡
『ジョン万作の逃亡』
’飼い犬ジョン万作は度々、逃亡をはかる。
それを追う主人公は、妻の裏切りを知る…。
「小説」の本当の面白さが堪能できる傑作集’
表題作が最高。
これもやっぱり日常の中に潜むホラーな感じ。
こういうのを書かせると椎名誠はすごく良い。
もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵
『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵』
’本を読んでいないと、禁断症状が出てしまうほどの
活字中毒者である本の雑誌発行人、めぐろ・こおじを
罠にはめて、味噌蔵に閉じ込めてしまう表題小説。
他著者の過激な好奇心がぎっしり詰まった辛口コラム。’
コラムも面白いが、
表題作も面白い。
めぐろ・こおじの異常性がよくわかる。
実際の本人もこんな人だと思ってしまう。
また、罠にはめる椎名誠も異常。
みんな異常。
長く素晴らしく憂鬱な一日
『長く素晴らしく憂鬱な一日』
’地下鉄駅に佇む夕子。蛇をポケットにしのばせる詩人。
孤独や喧噪や疲労をも飲み込んでしまう
「新宿」という街の物語’
1日を文庫本1冊に書き上げた作品。
これを読んで自分も1日を細かく書けば
本ができるんじゃないかと思って、
試してみたがすぐ諦めました。
わしらは怪しい探検隊
『わしらは怪しい探検隊』
’潮騒うずまく伊良湖の沖に、
やってきました「東日本なんでもケトばす会」。
ドタバタ、ハチャメチャの連日連夜。
男だけのおもしろ世界’
怪しい探検隊第1作品。
これを読むとどこかの離島に
行って焚き火をしたくなります。
まとめ
椎名誠の魅力
伝わりましたか?
僕が読んだのは2013年頃までの椎名誠の作品なので
最近の彼の作品は読んでいません。
しかし、椎名誠の溢れる魅力を
皆にわかってもらえたらと思います。
そして、誰か一緒に椎名誠トークができれば!
それでは!!
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