高橋しん「いいひと。」
この作者は「最終兵器彼女」を読み、他にどんなのを買いているのか気になってこの作品にたどり着いた。
この作品は、主人公 北野優二が大スポーツメーカーライテックスに入社して、
様々な部署を巡りながら、その部署ごとに抱える古くからの慣習や心の悩みなど、
現実と理想とのギャップに苦しむ会社員(たまに大学生)に、
働くとは何か、人生の意味とは何かもきっかけを教えていくストーリーです。
僕がこの作品が好きなのは、主人公 優二の役割が
部署ごとの問題を優二が考えて解決していくという形ではなく、
本来どうあるべきかということを学ばせるきっかけに過ぎないというところです。
そのため、優二の心理描写だけではなく、
その他の人の心理描写が多く、
むしろ優二は狂言回しとしてのポジションが多く、
本当の優二の心理描写というものはなかったような気がしました。
この作品では、働くことの建前と本音。
なぜそこにギャップがあるのか、
そのギャップを埋めるためにはどうすればいいのかということを考えさせてくれたと思います。
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