最近のインターネットは、「気の合う人たちが集まる」ことを前提にしたコミュニティが主流になっています。しかし、昔ながらの町内会のようなコミュニティは、**「たまたま同じ地域にいる」ことを基準に、多様な人々が混ざり合う」**という性質を持っています。
このプロジェクトでは、そうした町内会のような**「物理的な距離でつながる、新しいデジタルコミュニティ」**を作ることを目指しています。そのために、
- 物理的な距離を基準にしたグループ形成
- 気の合う人だけを集めない仕組み
- 炎上や情報流出を防ぐ設計
など、持続可能な地域コミュニティの仕組みを考えました。
Contents
1. 物理的な距離を基準としたグループ形成
● 参加条件:一定距離内にいること
- アプリ内のグループは、物理的な距離を基準に形成。
- 例えば、「半径1km以内の人しか勧誘できない」という制限を設けることで、地理的なまとまりのあるコミュニティを作る。
● 1週間のテスト期間で活動エリアを判定
- 勧誘された人は、1週間のテスト期間を経て正式メンバーになる。
- その間、1日数回の位置情報を取得し、主な活動エリアを分析。
- **「この地域で過ごしている時間が一定以上である」**と判断された場合、正式メンバーとして承認される。
- これにより、一時的な訪問者や荒らしの流入を防ぎ、実際にその地域に住んでいる人だけが参加するグループを実現する。
2. 町内会のような「ごちゃ混ぜ」の関係性を維持する
● 気の合う人だけを選別しない
- 既存のSNSとは違い、「価値観が合うかどうか」ではなく、「同じ地域にいること」だけを基準にする。
- そのため、気の合わない人とも共存することが前提となる。
- **「たまたま同じ地域に住んでいるからこそ、一緒にやっていく」**という町内会のような文化をデジタル上で再現する。
● 追放機能はなし。ただし、地域外の人のみ排除
- ホスト(管理者)であっても、メンバーを追放できない。
- ただし、定期的な位置情報の取得により、地域外に住んでいると判定された場合は自動退会。
- 多少のトラブルは許容するが、グループ運営が困難になるレベルのトラブルメーカーをどう扱うかは今後の課題。
3. 日常的な交流を生む仕組み
リアルな町内会のように、アプリ内でも自然な交流が生まれるようにするため、チャットではなく掲示板形式を採用する。
● 掲示板形式を採用
- チャット形式ではなく、スレッド型の掲示板を設けることで、ゆっくりとしたやり取りが可能に。
- カテゴリー例:
- 町のイベント情報(祭り、ゴミ拾い、防災訓練など)
- フリーマーケット・おすそ分け(不要品の譲渡、家庭菜園の野菜交換など)
- 日常の気づき(「近所の桜が咲いた」「新しいお店ができた」など)
- 困りごと・相談(「水道管が壊れた」「このお店の評判知ってる?」など)
● 毎日投稿できる掲示板
- 気軽に投稿できる「毎日投稿型の掲示板」を導入し、習慣的な交流を促す。
- 例えば:
- 「起きた時間を投稿するだけの掲示板」
- 「今日の天気+一言」掲示板
- 「やること宣言」掲示板
- こうした投稿により、日常の緩やかなつながりが生まれ、地域の一体感を高める。
4. スクリーンショットによる情報流出対策
クローズドな空間での発言が、スクショされてSNSに拡散されるリスクを考慮し、**「スクショできないようにする」のではなく、「誰がスクショしたかを特定できるようにする」**仕組みを導入。
● 個人ごとに異なる背景パターン(ウォーターマーク)
- 背景デザインをユーザーごとに異なるパターンに設定し、スクショされた際に誰の画面か特定できるようにする。
- 例:
- 模様の種類(ストライプ・ドット・ウェーブなど)
- 色の微妙な変化
- パターンの配置をランダムに変化
- これにより、スクショが撮られた場合、画像解析を行えば「誰が撮影したか」を判別できる。
● 透かし(ウォーターマーク)の自動挿入
- ユーザーごとに識別可能なナンバーを画面全体に透かし(ウォーターマーク)として挿入。
- スクショを撮られた場合でも、その画像から誰が撮影したのかを特定できるようにする。
● スクショ時に警告を表示
- スクリーンショットが撮られた瞬間に「あなたの識別情報が記録されました」と通知を表示。
- これにより、スクショすること自体を心理的に抑止する効果がある。
5. 今後の展開
この構想を実現するために、以下のステップで進めていく。
- プロトタイプの開発(まずは小規模で試作)
- 日本国内での試験運用(特定の町内でテスト)
- グローバル展開に向けた調整(言語・文化・法規制の対応)
まとめ
このアプリは、単なる地域SNSではなく、**「現代版の町内会」**をデジタル上に再現するものです。
物理的な距離を基準にした「ごちゃ混ぜ」のコミュニティを作り、情報流出対策もしっかりと行うことで、安全で持続可能な地域ネットワークを構築する。
今後、プロトタイプの開発や実験運用を通じて、さらにブラッシュアップしていきます。
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