うーん、それにしても疲れたなあ。
ここのところずっと作業しているもんね。
ずーっとずーっと作業してるよ。
朝から晩までぎっこんばっこん。
寝る間も惜しんでぎっこんばっこん。
そりゃあ疲れるよね。
こんなに頑張っているんだもん。
それにしても私ってヤツはすごい恩を感じる女だよ。
恩を感じる？
恩を感じるってなんか変だよなあ。
他に言い方ないかな。
恩知らずの逆の意味って何だろ。
うーん、何だろうなあ。
恩を知るってわけじゃないしなあ。
何だろ。
聞いたことがあるような気がするんだけど思い出すことができない。
そもそも本当に聞いたことがあるのかなあ。
恩、恩、恩…
うーん、まあいいや。
それにしても私は恩をいつまでも覚えている女ってことだよ。
喜んでくれたもんなあ。
あの時は飛び上がって喜んでいたなあ。
あんなに喜んでもらえたらこっちも作った甲斐があるよなあ。
嬉しいなあ。
そりゃもう一回贈りたくなるよね。
あんなに喜んだ顔を見せられたら。
嬉しいもんなあ。
でもひとつだけ不満があるんだよね。
すぐ売りに行ってたよな。
あれは良くないよね。
ふつーは1回、2回くらい着てほしいんだけどねえ。
ああいうところは恩知らずだよね。
よくないよねえ。
私はいつまでも恩を覚えているっていうのに。
ああいうところは直してほしいよね。
女っていうのは気丈にふるまっているようでいるけど
そういうところに繊細なんだよね。
わかってないよね。
あの人は女のそういうところがわかってないよねえ。
ダメだなあ。
あーダメだなあ。
でもダメだからといっても別にいいんだけどね。
私は気にしてないよ。
そういうところも含めて
私はあの人に恩を感じているわけだから。
ただちょっと直してくれたら嬉しいなあっていうだけなの。
だから直らなくても大丈夫なの。
全然気にしてないよ。
うーん、それにしても痛いなあ。
ヒリヒリしてきた。
赤くなってるなあ。
そりゃあこんなに抜いたら痛くなるよね。
最初の方は一本一本コツコツ抜いてたんだけどね。
だんだん面倒臭くなっちゃったんだよね。
私の悪いところだよね。
最初はコツコツできるんだけどね。
途中から飽きちゃうの。
でも今回は飽きたからといってやめられないもんな。
なんたって私は恩を知る女だからさ。
だから二本、三本とだんだん抜く量を増やしたのがよくなかったなあ。
五本一緒に抜いた時肉までついてきたもんね。
でも急いでるんだししょうがないよなあ。
急いでやったらそりゃ肉も一緒に抜いちゃうよ。
ダメだなあ。
うん、ダメだよねえ。
横着っていうのはやっぱりダメなんだね。
やっぱりコツコツが一番だよね。
今は三本同時に抜いてるの。
三本だと痛いけど血が出ないのよ。
これがちょうどいいよね。
一本、二本だと痛くないんだけど早くできないもんね。
やっぱり三本がちょうどいいよね。
でも三本がちょうどいいってことを知れたのは
四本、五本を抜いたからだよね。
そういう意味ではあの経験にも感謝しないとね。
感謝感謝。
なんたって私は恩を知る女なんだから。
いっぱい感謝しないとね。
でも気になるのはまたちゃんと生えてくるのかっていうこと。
生えてこなかったら嫌だなあ。
生えてこないってわかっていたら
もっと端っこから抜いたのになあ。
でも生えてくるかどうかはこれからのことだもんね。
だからいいや。
これからのことなんか考えても仕方ないもんね。
生えてこなかったら生えてこなかったでまた考えたらいいや。
その時はその時。
今は作ることだけ考えてればいいや。
でもなあ。
どうせなら全部抜いちゃった方がいいのかなあ。
でも全部抜いちゃっても全部使うとは限らないしなあ。
だれか使ってくれないかな。
使ってくれるよね。
すごい綺麗だもん。
こんなに綺麗なのはなかなかないよね。
自分で言うのもなんだけど。
やっぱり普段からしっかりと手入れしてるもんね。
綺麗だなあ。
ツヤツヤだなあ。
そう思うと抜くのはやっぱりもったいないなあ。
でもしょうがないよね。
恩があるんだもん。
私は恩を知る女だもんね。
しょうがないよね。
楽しみだなあ。
また喜んでくれるかなあ。
喜んでくれたら嬉しいなあ。
でももう一つ作るのは難しいなあ。
もう抜くところがないもんな。
しょうがないよね。
恩を知る女っていっても抜くところがないとね。
恩を返すっていうのは気持ちだよ。
ありがとうっていう気持ちを持っていたらいいよ。
じゃあこれで最後かな。
最後は一番喜んでほしいなあ。
飛び上がってくれるかなあ。
飛び上がって喜んでくれるかなあ。
楽しみだなあ。
うーん、楽しみだなあ。
でも喜ばなくてもいいんだよ。
喜んでもらうことが目的じゃないからね。
恩を返すためだから。
なんたって私は恩を知る女だからね。
うーん、楽しみだなあ。
コメント