赤いスーツを買った

日常生活
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この間、赤いスーツを買ったんです。

赤いスーツといっても真っ赤な赤

というわけではなく、

ちょっとオレンジというか茶色というか

少しくすんだ色が入ったような赤いスーツ。

しかもダブルのスーツ。

昭和か!っつってね、自分で買ったんだけど。

なんで赤いダブルのスーツを作ったというと、

もともと、このスーツはオーダーで

作ったんです。

ちょっと前に妻がオーダースーツを

作ってて、完成したのを見たんです。

そしたら、えらいフィットしてて

羨ましかったんですね。

僕はなかなかスーツのサイズが

合うということがないんです。

と、いうのも背が低いのに筋肉質なので

肩幅だけ広くて袖が短かったりするんです。

そんなわけで普段はガバガバなスーツを

着たりしてるんですが、

テレビでプロレスラーとか野球選手を見ると、

えらいかっこよくスーツを着たりしているんですね。

それでもともとオーダースーツには憧れがあったんですが、

なかなか作るきっかけがなく、

実際に身近な人が作ったのを見て

じゃあ俺も作ってみようと思った次第なのです。

ただ、僕は普段スーツを着る仕事じゃないんで、

普通の黒のスーツを作る必要がなかったんですね。

なので、普段使いできるような、

カラースーツにしようって思ったんです。

スーツを作るならダブルのスーツって決めてました。

それは椎名誠っていう小説家の影響があります。

昔、椎名誠の本の解説で、

誰かが椎名誠に初めてあったときのことを書いてたんです。

その時、椎名誠はダブルのダークスーツを着ていたとのことでした。

めちゃくちゃ威圧感があったらしく

とても作家とは思えなかったそうです。

僕はそれを見て、かっこいいなーって

思ったんですね。

僕も俳句をやってるんですが、

見た目で、あー俳句やってそうだね

って言われるのは嫌だったんですね。

だいたい俳句やってそうな服

っていうのもよくわからないですし。

宗匠帽でもかぶっとけばいいの?

そんなわけで、

普段使いができるようなカラーのダブルのスーツを

オーダーしようとしたわけなんですよ。

オーダーなんで、お店で採寸をしたり

色とかボタンとか色々決めることが

あったんです。

店は妻が作ったところと同じところを

使いました。

一人じゃ心細かったんで、妻と一緒に行ったんですが、

妻はあまり乗り気じゃなかったんですね。

というのも感覚の違いなんですが、

僕がダブルのスーツを着たいと

主張しているのに対し、

妻はダブルのスーツは古臭くてダサい、

しかもカラーのスーツなんてもってのほかだ!

というような意見だったんです。

そんなこと言われても、

普通の黒いオーダースーツ作ってもしょうがないし、

ちょっとだけ色を入れて紺色にした

なんて言ったら気取ってる男みたいで

嫌だったんです。

そりゃあ、紺のスーツだったら着てても

周りに見られたりはしないでしょうし、

なんとなくオシャレっぽい感じはするでしょう!

しかし!

そんな雰囲気だけオシャレをして

なんになるのだろうかということを僕は問いたいのです。

僕は別に普段からオシャレしたりすることがない方なんですが、

少し自分の中で意識しているルールがあって、

生活から2歩足を踏み出した服を着るということです。

お店に行って最初に使いたい色を伝えました。

最初の候補としては、

緑と黄色と赤だったんですね。

ただ、男物でカラーの生地というのがないらしく、

お店の人は少し困ってました。

というより、なんならその色はお勧めしませんよみたいな目で見られてました。

一緒に行った妻も同じような感じだったので、

追い詰められた感じがしましたね。

私だってカラーのダブルのスーツを着るのには恐怖があったのです。

赤いスーツなんか着てたら町の人々から白い目で見られるんじゃないだろうか、

ダブルのスーツなんか着てたら繁華街で絡まれるんじゃないだろうかという思いもありました。

だったら、

そんなスーツを作らなかったらいいじゃないか

という意見もあるかもしれません。

しかし、自分の殻を破りたいと思う中で、

手っ取り早いのは外見を変えることです。

漫画『宮本から君へ』でヒロインの元彼のキャラクターが言っていたセリフで、

人は感動するために生きている

というのがありました。

誰かの引用かなと思いましたが、

ググっても出てこなかったので、

オリジナルのセリフかなと思います。

そのセリフに非常に感銘を受けたのですね。

人は感動するために生きている

なんていいじゃないですか。

嬉しいこともあれば悲しいこともある。

生きていれば最後は必ず死んでしまう。

じゃあなんで私たちは生きているのかというと、感動するためなんですね。

感動するためには常に変化を求めないといけません。

それも、開き直ったような変化ではなく、

日々を地道に、昨日とつながっているような変化。

毎日の一歩の踏み出しの積み重ねなんだと思います。

そんな中で、赤いダブルのスーツというのは、

自分の中の殻を破る、しかし開き直ってもいないような大きな一歩なんですね。

なので、カラーのダブルのスーツを作らないわけにはいけなかったのです。

そんなわけで、

お店での店員さんと妻の面倒せえなあという目にも耐えながら

スーツを作りました。

注文して三週間後、

完成したのを見て、

思ったより赤いスーツで少し後悔しながらも

どこでこのスーツを着ようかと考えてワクワクしている自分がいました。

最初はまだ特別?な場で着ようと思っていますが、

このスーツを普段使いできるようになったとき、

またなんか新しい服を買おうと思います。

以上。

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