東海の句集を読む_宇佐美魚目『天地存問』

さんきゅー俳句
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・はじめに

古本屋で句集を見かけるとなるべく買うようにしているのだがあまり読んでない。

これはいかんと思い、まずは東海の人の句集を読む事にした。

家にある句集を発行日順に並べて一番古い句集から読むことに。

まず1回目として、宇佐美魚目の『天地存問』を読む。

・宇佐美魚目について

宇佐美魚目は名古屋市緑区に住んでいた俳人、書家。1926−2018。

投句を「ホトトギス」から始め、その後「牡丹」「桐の葉」「鷹」「雪」「年輪」「青」などに参加。高浜虚子、橋本鶏二らに師事。大峰あきら、岡井省二と共に「晨」を創刊し共同代表。(wikipediaより)

・句集について

天地存問は第三句集で昭和55年7月25日発行。昭和50年から昭和54年までの403句が収録されている。この時魚目は波多野爽波の「青」の同人。当時54歳。

表紙は木村茂による木の版画。

最初のページに著者の写真がある。

・感銘句

目のあかぬ猫てのひらに夜長かな

糸で明くからくりの目や初氷

鷹匠の日の出日の入り鷹と在り

海の霧精霊ばつた濡らしたる

桃すでに遠目にもいろ須磨明石

ものに入りものを離れて大昼寝

明けてすぐ晴天もぐら露まみれ

月忘れをりて遊女の墓も冷ゆ

人くれば雪のつもれば父の酒

蟻殺す湯にいきものの走り見え

水辺まで根の及びをる大夏木

美しく住み秋の蚊の大いなる

大雪の廂折りたり松は無事

春昼のそのまま月となりし通夜

童顔の故人も来よや菊根分

・雑感想

下五をかなで終える句が多い

複数の物を区切りなく並列に並べがち

下五で締めようとしている

海が好きな気がする

・よく出てきた言葉

木曽、雪、海、蛇、氷、西国、谷、父、鯉、松、杖、寝、糸、桃、僧、釣り関係、書道関係、温泉関係、虚子、空也像

・まとめ

宇佐美魚目については存在は知っていたものの句集は今回初めて読んだ。

40年以上も前の句集なので風習文化が違うらしく全体的に読み取りにくい部分もあったが現在にも通じる句もあった。

おわり

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